史料集

A New Look at Fluid Dynamics
2010年ごろ南部は大阪大学で流体力学の新しい記述の仕方を編み出していた。居室で「最近こんなことを考えてるんだけど、どう思う?」と白板の上で説明してくださった。流体の話と言われて興味深々となったのだが、白板の上で南部先生独自の写像(mapping)の式が展開する。その発想は1980年ごろ南部先生が弦(ストリング)理論を書き直すときになされていたものと共通していた。さらに「流体の圧力はこれ、非圧縮性はこれで、、、」と議論は展開していく。ストリングと流体に思いもよらない回路が繋がるようで、私は呆気に取られてしまった。このノートには南部の研究過程が記されている。ノートの途中、日本語で「芸術は永いが人生も永い 百三十八億年目にやっと目覚めた宇宙」との書き込みもある。(文責:細谷 裕)
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